2024年度の秋、そろそろインフルエンザに備えよう
毎日毎日インフルエンザの患者さんが来局した2023年度の冬。いや、2023年度は夏からずっとでしたね。さて猛暑の続いた2024年度も秋の気配を感じ、10月になったことで医療従事者はそろそろインフルエンザの予防接種を…という季節になってきましたね。今年はインフルの患者さんたくさん来るでしょうか、子どもを保育園に預けているうさぎ太郎としては気になるところです、ドキドキ。
そして、そろそろ在庫管理に携わっている調剤事務さんはインフルエンザ治療薬の在庫を用意しておこうという話になっているでしょうか。
今の職場ではゾフルーザの処方が主流なのですが、前の職場ではイナビルが主流でした。イナビルは処方された際、患者本人が来局していたら投薬するその場で吸入してもらうのが当たり前の光景だったのですが、今の職場ではやり方の説明のみで「帰ってすぐ吸入してください」方式です。
患者さんのコンプライアンスを優先するか、薬局内感染を抑えることを優先するか。どちらが正しいとか、それはそれぞれの主張もあろうかと思うのでさておき。
さて、そんなイナビル。薬局内で吸わせてもらえず、投薬後に自宅で吸入することになった患者さんたちは難なく吸入出来ていると思いますか・・・想像してみよう。。。特に子どもさん。(トップ画はリレンザのデバイスになっちゃった・・・)
1回で全部の粉が吸えなくても大丈夫!
患者さんに投薬カウンターでイナビルを吸入してもらっていた前職場。薬剤師さんは包装から出して、トントンして、スライドして、吸う直前のところまでしてあげて、そこから患者さんに手渡していました。「これであってるかな?」と患者さんが不安になることなく、正しく吸入出来るに越したことはないですよね。こちらも目の前でちゃんと吸ってもらえたら安心して帰ってもらうことができます。目の前で咳き込まれるとドキドキしますけれども。
で。問題は投薬カウンターでは吸入させず、帰宅後に患者に全てをお任せする時。
投薬時には大きく一息で吸うように伝えられることが多いかと思いますが、ちゃんと「中の粉が全部吸えているか中身を確認して1回で全部吸えなくてもいいから、粉が全部なくなるまで吸ってね」って言っている薬剤師さんが10割ではないことに一抹の不安を覚えている調剤事務うさぎです。
そう。
イナビルの箱に同封されている患者用の説明書には「お薬の吸い残しがないよう、もう1度A~Cの手順を繰り返す(スライド・トントン・吸入)」とは書かれていますが…
「中の粉が全部なくまるまで吸う」とは書かれていないんですよ。
・・・果たして子供の場合、2回で全部吸えているのだろうか・・・特に咳症状が強いお子さんの場合・・・
インフルエンザになってる本人への投薬だったら、発熱や倦怠感でボーっとして説明が頭に入らないこともあるだろうし。咳で上手く吸えないこともありそうだし。そんなわけで横で薬剤師さんの投薬を聞いている身としては投薬時にその場でやらせてあげてほしいなぁと思うことが多いんですよね。個人的感想ですが。
ということで、もしこの記事を目にした人の周りにイナビルが処方されて、やり方に困っている人がいたら、薬剤師さんじゃなく調剤事務さんでも教えてあげてほしい(なかなか遭遇しないかもしれませんが)
2回で吸いきれなくても、失敗じゃないよ。何回でもいいから粉がなくなるまで吸いきってね!デバイスの小窓から粉が残っていないか確認してね!
と、機会があれば教えてあげてくださいね。大事なのは吸う回数じゃなくて、薬の量。考えれば分かるんだけど、あの指導せんではその大事な点を見逃しそう。もし第一三共さんがこのブログ見てたら指導せん改定してほしい(見てくれてるとは思えませんが…しょんぼり)
育児経験のない薬剤師さんへ
子育て未経験の薬剤師さんは想像しにくいと思うのですが、子供はまったく言うことを聞きません。そしてインフルエンザでも理解しがたいくらい元気だったりします。
受診に付き添うお父さんやお母さんは医師の話を聞きつつも、実は子供を落ち着かせることにも必死で医師の話がやや抜け気味な時もあります。というか医師の話を聞くより子供を落ち着かせることの方が優先な時も結構あります。
リアルな話、処方せんをもらってもその場で処方内容は確認せず、わちゃわちゃする子供の面倒を見ながら保険証と処方せんをガサガサ掴んで、薬局にそのまま処方せんを出して、投薬時に「この薬が出たんだ~」と思うのがデフォルトなのが私です(共感してくれる人はいますか)。
いまのところ、うちの子がインフルになってもオセルタミビルDSしか処方されたことがないのですが、もしイナビルが出たらちょっと処方変更してほしいって思ってしまうかもしれません。うちの子の場合、小学生なら何とか挑戦してみるか・・未就学児に処方されたら・・・うちの子にはちょっと難しそうだし、DS飲ませる方がかなり簡単だから処方変更してほしいな。。。という感じです。(その時の体調にもよる)
同じ様に病院で吸入の説明を受けて「やれる!」と思ったとしても、薬局で実物を見て詳しいやり方を聞いて「うちの子にはまだ無理だわ~」と思うお母さんもいるかもしれません。1回使い切りという服薬の仕方が裏目に出る気がしちゃって。。。。しかしその中で「あ、出来そうにありません、粉の薬に変えてほしいです」と言えるお母さんはほぼいないのでは。。。
なので、もし小さいお子さんにイナビルの処方が出ていた場合、お父さんやお母さんに「イナビルってこんな感じだけど、いける?」って確認してあげてもらえたら親切だなって思います。(子供が小さいほど早く家に帰りたくて「いける!」って言う人もおそらくいるけど)
そして個人的にはわちゃわちゃする子供に指導せんを見ながら吸入させるのは大変だし、おそらく子供も薬局で薬剤師さんに指導してもらう方が大人しく言うことを聞いてくれるので、私は薬局内で薬剤師さんの指示のもと吸わせたい。個人的にはね。
まとめ
薬剤師さんへ:本当に患者さんが自宅でちゃんと吸えそうか、最終確認。無理そうならその場で吸わせてあげるか処方変更を推奨。自宅で吸ってもらうなら粉が無くなるまで吸う必要があることを必ず伝えてあげてほしいです。
患者さんへ:1回で吸いきらなくても大丈夫なので、あまり気負わなくても大丈夫。でも子供の処方とかで難しそうなら処方変更もできるし、自宅でするよう言われても不安なら、薬剤師さんにその場で吸わせてもらえるか聞いてもいいと思う。
これが言いたかった(笑)。
調剤事務なのに偉そうにすみません。
でも調剤事務として色んな薬剤師さんの投薬を聞いて、患者として・母の立場としてこうしてほしいなぁ、と感じている本心です。
色んな薬剤師の説明を聞けるって人生でメリットだと思っているのでお伝えしておきます。ね、全国の調剤事務さん。多分薬剤師さんより色んな薬剤師さんの説明を聞いていますよね(笑)。
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