調剤事務歴15年のうさぎ太郎です。
医療事務と調剤事務、名前は似ているけれど、具体的にどう違うの?と思ったことはありませんか?この記事では、両者の違いを仕事内容、資格、働く場所やキャリアについて分かりやすく解説します。
私うさぎ太郎は調剤事務の経験しかないのですが、調剤事務の視点で解説していきたいと思います!
調剤事務と医療事務。それぞれに大変なことはもちろんあるんだけど、その中で自分にあった仕事探しの参考になれば幸いです!
医療事務と調剤事務の仕事内容の違い
まずは両者の仕事内容を比較してどんなところが似ていて、どんなところが違うのか見ていきましょう!
①仕事内容の外枠は似ている
医療事務と調剤事務は基本的には似ています。ともに主な業務内容をざっくり言うと
- 受付業務
- レセプト業務
- 医師または薬剤師のサポート
- その他雑務
なのです。どちらも事務でありながら、臨機応変な患者対応も求められる接客業要素のある業務と言えるでしょう。
医療事務なら「診療報酬」、調剤事務なら「調剤報酬」という国の定めたルールに基づいて仕事を進めるので、ルールに則って正確・誠実にコツコツ作業するのが好きな人が向いている傾向があると言えます。
これだけだと、ますます未経験の方はどちらが良いか迷いそうですね。
②必要な知識量の比較
では必要な知識量(勉強量)という観点ではどうでしょうか。
実際に働く職場によって「絶対こう」と言い難くはあるのですが、これに関しては医療事務さんの方が多いと言えると思います。
資格を取得するために必要な勉強時間に関しては、医療事務も調剤事務のどちらも難易度の低い資格・高い資格がいくつもあるので、一概に「こっちが簡単!」とは言えません。
しかし、例えば通信講座大手のユーキャンはどちらの講座もメインテキストは3冊で構成されていますが、以下のように標準学習時間に差をつけています。
- 医療事務講座の標準学習期間:4ヶ月
- 調剤事務講座の勉強期間目安:3ヶ月
それに伴い、受講費用も医療事務の方が10,000円程度高いです。リンクを貼ってみたのでご参考になさってください。PRではありません(笑)
こういった点からも、必要な知識量は医療事務の方が多いかと思いますし、実際に調剤事務から医療事務に転職した先輩もリアルにそう言っております。
③さらに細分化してみる
さらに、こう区分分けをして考えるとさらに「自分が働きたい職場像」が浮き彫りになるのではないでしょうか。
- 基幹病院となるような総合病院で細分化された業務を担う医療事務【担当業務のスペシャリスト】
- 個人病院や中堅病院で総合的な業務を担う医療事務【掲げている診療科に特化】
- 薬局で総合的な業務を担う調剤事務【どこの病院からの処方箋も応需するのでオールマイティな知識が必要】
①でも医療事務全般のことが出来るようになるためにローテーションを組んでいる病院も多数あるので「レセプトだけやりたい!」「受付だけやりたい!」が叶うかどうかは求人や面接で要確認というところかと思います。
①~③のどれもが国の定めたルールにのっとって、保険の知識・点数の知識が必要ですが、その知識をどう役立てたいかを考えて働く場所を決めると良いかもしれません。
では、ここまでを踏まえてもらった上で、調剤事務の視点から、医療事務と比較したメリット・デメリットを解説します!
調剤事務の方が良い点
調剤事務として15年働いてきた私が、実感している良い点をまずはご紹介したいと思います。
1.店舗のトップが薬剤師(雇われ店長)
何が言いたいかというと、店のトップが経営者じゃないということ。
開業医は一国一城の主。対して薬剤師はごく一握りの経営者を除けば、大半が雇われの身です。その違いが働きやすさに影響するかどうかは明確かと思うのですがどうでしょう。
総合病院の医療事務を除き、個人病院に勤める医療事務は「経営者と働く」ということになります。対して調剤事務の大半は「雇われ人と働く」ことになります。
「給料を払う側」の人間と一緒に働くのと、「給料をもらう側」の人間と一緒に働くのとどちらを希望するか、とも言えるでしょうか。これは普段の休日の取り方だけでなく、産休・育休・介護休など休みの取りやすさに一番関係してくるかもしれません。長期で休職した後の復帰時期などは特に。
医師も薬剤師も互いの仕事を全うすることに変わりないのですが、従業員に求められる姿勢は一緒ではないと思います。
総合病院ではその限りではなかろうかと思いますが。
もちろんめちゃくちゃ従業員ファーストな経営者も中にはおられますので、「雇われ人と働く方が楽」と一概には言いきれません。ですが、うさぎ太郎の私見を述べさせていただくと「基本的には雇われ人と働く方が色々な面で楽」と思っています。
企業の主とキャッシュフローを意識しながら働くのも楽しいと思いますが、そうではなく「働いた分だけ給料をいただく」という姿勢で仕事をするのであれば、断然雇われ人と働く方が【圧】が少ないかと思います。
2.人間関係がシンプル
調剤薬局で働く職種は基本的に2種類のみ。薬剤師と調剤事務、以上です。
中にはケアマネさんとか栄養士さんとか、他の職種の人がいらっしゃる場合もあるかもしれませんが、基本的には薬剤師と調剤事務のみです。シンプル。そして少人数。店舗によっては2~3人で運営しています。
かたや医療事務はというと、医師をトップに看護師さん、技師さん等があっての、医療事務です。薬局より働く職種と人数が増えます。そしておそらく病院で働く人の中で資格職じゃないのは事務員くらいではないでしょうか。
人間関係って上下と人数が増えるほどややこしい。人間関係がややこしいのが苦手な場合は調剤事務の方が楽かもしれません。
あと、なんとなく薬剤師さんに対するイメージって個人個人お持ちかと思いますが、うさぎ太郎の感じるところでは、薬剤師さんって穏やかな人が多いです。長年調剤事務やってて思うのは薬剤師さん、なんかみんな優しいです。調剤事務として働いた15年間のうち、1人だけすごい攻撃的な薬剤師さんいたけど、この人はどこの業界にも共通で稀にいる人間関係が下手な人です。。。
3.退職の前に「店舗異動」という手がある
人間関係についてもう一つ。薬局にはあって、病院にはない良い点は「店舗異動」が出来るという点があります。
人間関係がこじれて働きづらくなることは往々にしてあります。自分自身じゃなくても、一緒に働く誰かと誰かがこじれても働きづらくなるものです。
そういう時、店舗数がそれなりにある薬局で働いていると「退職」という選択の前に、「異動」という手段があるわけです。
個人病院や総合病院でもそうはいかないのではないでしょうか。
うさぎ太郎が以前働いていた薬局は30店舗ほどあったので、それなりに人間関係に起因する異動がありました。「退職」は本人にとっても会社にとってもいろいろ負担が大きいものですが、「異動」で済めばその負担はかなり軽減されます。
なので私は「異動」という選択がある薬局が好きです。
ただし逆に。薬局には正社員だと「異動」というものが割と付き物。
異動が嫌いな人は異動のない病院での医療事務が良いのかもしれません。通勤距離の問題もありますしね。
4.とにかく先輩がこう言った
かつて調剤事務として一緒に働いていた先輩が、結婚を機に医療事務に転職しました。この先輩の場合は調剤事務→総合病院の医事課です。個人病院ではありませんでした。
その先輩が転職してしばらくしてこう言ったのでした。
調剤事務から医療事務の転職はキツイ。
覚えることが調剤事務の比じゃない。逆なら(医→調)ありだけど、あなたたちが医療事務に転職するのはオススメしないわぁ。
らしいです。
とにかく当時こう言われたので、うさぎ太郎は今も大人しく調剤事務をしています(笑)。あえて今以上の苦労をしたくはありません。。。
とはいえ、これは私が新卒で調剤事務職に就き2~3年目、まだレセプト提出がフロッピーディスクだった大昔の話なので(どんだけ)状況は変わっているかもしれません!あしからず。
調剤事務の方が良くない点
調剤事務として15年働いてきた私が、実感している働きにくい点をご紹介したいと思います・・・! 紹介しづらい部分もあります(苦笑)
1.患者さんから見ても、薬局の方が病院より格下
もうちょっとオブラートに包んだ言い方ってもんがあるだろう・・・とも思ったのですが、分かりやすいのであえてこう表現させていただきました。
病院も薬局も互いに独立した医療機関であるにも関わらず、薬局を格下とみなし、かつ、それが態度に出る患者さんがごく一部いらっしゃる、という話です。
薬局が「病院より格下」と見られているが故に起こる困った現象を以下に述べますよ。。。
【注】あくまでごく一部の人のみで、ほとんどの患者さんはそんなことありませんのでご理解ください
①保険証の提示をしぶられる
だいぶ減りましたけどね。
病院で保険証見せたのに、なんで薬局でも見せないといけないんだ!?面倒くさいな!
というパターンがごくごく稀にあります。こちらとしては病院と薬局は連携はしているけど互いに独立した機関なので・・・ていうか保険証見せないなら10割払ってくださいよ、と言いたくもなるのですが、我慢我慢。。。いまいち理解されておられない(もしくはただ財布から出すのが面倒で怒って済ませようとするだけの)患者さんがおられます。 病院では大人しく出しているのに、薬局ではなぜか本性が出るようです。
②問診票の記入をしぶられる
とにかく渋られることの多い薬局。保険証の提示同様、問診票の記入も渋られることがあります。
病院でも書いた!ここで書く必要はない!医者はそれを把握した上でこの処方せんを出してんだ!書かないと薬もらえないなら他の薬局に行く!
と言って薬局を出て行かれた患者さんがいた事も1度2度ではありません。まあ面倒くさいのは分かります。私だって患者の立場になった時に面倒くさいって感じますからね。体調悪くてきているのでなおさらですよね。でも安全のために必要だからお願いせざるを得ないんですよね。
③急ぐことを無理強いされる
これも薬局あるあるです。
病院でめちゃくちゃ待たされてもう時間がないんだ!急いで薬だして!は?なんで薬出すだけでそんなに時間がかかるの?急いで!ジー・・・(ずっと調剤室内を睨んでくる)
みたいな。
病院でめちゃくちゃ待った日は、薬局でも待つ必要があるであろうことを想定してほしいのですが。。。病院では大人しく待っていた患者さんが薬局に来て態度が大きくなるパターンです。これも格下と思われている薬局ならではかと。
とはいえ、こういう患者さんは往々にして医師と対峙する診察室内では大人しくても、受付の医療事務さんには態度が大きくなっているのではないかとも推察します。。。
2.薬の供給不足が深刻でシンドイ
これはもう、コロナ禍1~2年目からずっと起きている問題です。ことあるごとにこのブログでも言ってきましたが。
薬がないです。
もう一度言います。とにかく薬がありません。
コロナ禍では病院も医療資材が足りないという問題が深刻だったことがありますが、病院は「あるものでなんとかする」という対処ができます。しかし薬局側は処方せんありき。処方せんに基づいて何とかしなければならないので本当に「何もやりようがない」という状況が多々あります。病院に言わせれば「それをなんとかするのが薬局の仕事」というご指摘もあるようですが。。。「あるもので何とかする」が出来ないのでやむを得ず調剤をお断りすることもあります。
何が言いたいかというと、とにかく「今は薬がない」ということです。以上です。
・・・「今は」っていうけど、もはや3年以上ありません。初めて調剤事務になる方で、就職を急いでいない方はこの医薬品供給不足問題がある程度解決してからをオススメしたいところですが、国が解決する気がありませんので、調剤薬局で働くことを自信をもってお勧めできない理由がここです。。。
余談ですが、医薬品供給不足の話をしていると、コロナでマスクが日本から消えた時のことを思い出します。最悪日本に有事が起こった時に、このまま医薬品製造業が衰退していくような政治が続いていたら・・・食料の自給率と同じように医薬品も恐ろしい未来に向かっていっていると思います。
そんなわけで、医療事務ならしなくて良い苦労(というか、5年以上前なら調剤事務でもしなくて良い苦労だった)を今調剤事務になると苦労しないといけない時代です。この点が、辛い。
ちなみにこの医薬品供給不足に関しては、医療事務さん側においても「薬の手配できないから他の同効薬に変えてください」という薬局からの疑義照会に応じる手間が発生しておりますことを付け加えておきます。医療事務の皆さん、いつもご対応ありがとうございます!
3.とにかく職場が狭い
薬局は小さい敷地内にギュギュっと薬と棚と机を詰め込んだような職場です。とにかく狭い。
たとえ狭くなかったとしても広くはありません。
これは、薬局内の人間関係が良好ならば何も困ることはないのですが、人間関係が険悪な場合は1日中逃げ場がないということでもあります。薬品棚に囲まれた通路で人と肩がぶつかる程度には狭いですので。
休憩時間以外は常に他の職員の顔が見える職場、それが薬局です。
もちろん人間関係が良好な薬局なら、物理的に人との距離が近いことは連携が取りやすいことに繋がるので、一概に悪い点とも言えません。
だけど、掃除する範囲が狭くて良い、とも言えます!ものは言いようですね。
4.広範囲の保険・公費の知識が必要
薬局は「全国どこの病院の処方せんでも受け付けます!」と言っている以上、どんな健康保険、公費をお持ちの患者さんにも対応できないといけません。
門前に病院を構えず、面で処方せんを受けているような薬局の場合は特にですね。自由診療も労災も自賠責も。単県公費も、自立支援も、難病も、肝炎も、石綿も、結核も、公害も、DPCも、高額療養も、健康保険を滞納している人への対応も…、その他諸々まだまだありますが、なんとな~く薄っすらでも知っておかないといざ該当の処方せんを持ってこられたときにフリーズしてしまうこと必至です。(書いてて私自身に焦りがあります・苦笑)
特に薬局って調剤事務1人で回している営業時間って結構多いんですよね。というか今勤めている薬局がそうで、私ずっと1人です。。。私がいない時間は他の店舗から応援に来てくれる人が1人で回してくれています。。。少数精鋭と言えば聞こえはいいかもしれませんが、そうではなく採算性の問題です(苦笑)。
ということで。対応に迷う処方せんが舞い込んできた時に、相談相手が皆無ってなかなか冷や汗な場面を私も経験したりしました…。調剤事務は人手が薄めなので心細いことが多いかもです。
その点、病院の医療事務の場合は、自身が受け付けている診療科目に関わる公費の知識が主にあればよいので、保険に関して困る場面は調剤事務に比べれば少ないのではないかと思います。総合病院の会計課におられる方などに関してはもちろん全ての知識が必要になるのだと思いますが、そこは「薬局の1人事務」とは違って総合病院なりに人員配置に配慮があるのだと勝手に想像していますが…いかがでしょうか。
ちなみに薬剤師さんも事務的な知識を豊富に持たれている方はおられるので、そういう人とタッグが組めたらかなり安心です。が、薬剤師さんの保険や公費の知識の有無に関してはかなりピンキリなので、正直「知識がある薬剤師さんと働けたら大ラッキー」くらいの心持ちでいるのがベターです。
おわりに
調剤事務と医療事務、「どちらが働きやすいか」を考えてみましたが、いかがだったでしょうか。
結論、一概に「こっちが楽」とは言えませんが、確実に言えるのは
それぞれメリットデメリットあるので、「同じような職業」と思わずに、適性のある方を選ぼう!
ということ。
ちなみに私が15年調剤事務を続けてこれた、その陰にある大きな理由は前述した「経営者が近くにいない」という点が1番大きいと思っています。たまに臨店する経営陣が入店してきた時の緊張感を考えると、通常時に雇われ人しかいない環境ってかなり気楽です。
これから医療事務か調剤事務として転職を考えている人の参考になれば幸いです!
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