このブログを読んでいる調剤事務さん、マイナ保険証使っていますか?
現行の健康保険証が今年の12月で使えなくなります。とはいえ、まだまだマイナンバーカードと保険証を紐づけしている患者はごく一部といった印象のままの薬局は少なくないはず。
この10月からDX加算の経過措置も終わり、本格的にマイナ保険証利用率に従って加算区分が定められましたし、2025年1月からは利用率をさらにアップさせないと加算が取れなくなってきますね。頑張ってマイナ保険証の利用率をあげるよう会社から口うるさく言われている薬局さんもおありかとお察しします。
選定療養と同時に新しい制度はじめるの、回避してほしかったね!
しかし。現行の健康保険証が有効でなくなる2024年12月2日が差し迫るこの初秋、いまだに転・退職等で健康保険切替え中で手元に保険証がないのでいったん自費で受付となるのは結構あることだと思います。今回はそれにまつわる事例をご紹介します。
病院と薬局で使用する保険証が異なるけど問題ない?
ある日処方せんの保険証の欄が空欄の患者様がご来局。
今日の処方せん、健康保険を使用せず自費でという形になっていますが、保険証の切替え中?もしくはお忘れですか?
あ、仕事が変わって、新しいの作ってもらってるところなんです。病院でも自費になりました。また返金してくれるみたいです。
そうなんですね、教えてくださってありがとうございます。保険証切り替え中ということで薬局でもいったん自費となりますが、返金の方法についてご説明しますね、うんぬんうんぬん・・・・
ということで今回は自費、本日が「新しい保険証の資格取得日に含まれる」ことが確認出来たら返金できること、当薬局での手順等々説明して、その日は10割負担での会計となりました。
後日、新しい保険証をもって返金に来られると病院と薬局で使用する健康保険が異なっていた
さて、後日新しい保険証を持って、来局してくださいました。すると・・・
処方せんは8/31発行 、新しい健康保険証の資格取得日は9/1(古い保険は8/31まで有効)、そして薬局に処方せんを持参した調剤日は9/2、という流れでした。
病院と使用する健康保険が違っても問題は無い気がしますが、初めての事例だったのと、一緒に働く若い調剤事務さんも不安がっていたので、またまた審査機関に聞いてみました。(大丈夫とは思ったので、先に患者さんには7割分返金をし、帰られてから。)
なるほど、そういうこともありますよね。
病院さんとは保険が違っても大丈夫ですよ。
病院でも薬局でも受付した日に有効な健康保険を使ってレセプト請求してください。
とのことでした。
まあそりゃそうだよね、と思うのですが、せっかく問い合わせてみたのでこれを読んでくださっている調剤事務さんにも情報共有です。
病院のレセプトと薬局のレセプトとの突合点検はどうなるのだろうとそこは気になるところですが。レア事例として突合対象にならないのか、保険者の垣根を越えて突合点検されるのか。審査機関側の方がこれを読まれていたら(期待薄)ぜひコメントください。
管理薬剤師セミナーでの解釈事例も貼っておきます。
手元に管理薬剤師セミナーの、こんな古い古い資料もありましたので、共有しておきます。
これは社保の保険者は変更なし、記号・番号のみの変更ですが、医療機関から薬局に来るまでの間に保険証の内容が変わっちゃったケースについての回答ですね。
やはり調剤日に有効な保険証を使用とのことです。
有効な保険証が手元にないのに、無効な保険証提示するのはやめましょう!なぜなら。。。
そして本題とはずれるのですが、古い保険証をシレっと有効な保険証かのように提示して現物給付を受けて、病院や薬局に返戻くらわす人って意外といませんか。
もしも、この記事を読んでいる一般の方がおられましたら知っておいてほしいのですが、
「マイナ保険証に登録していないから保険が無効なことはバレない」と思わないで!オンライン資格確認が整備されたおかげで基本的に薬局店頭でバレますよ!
です。オンライン資格確認が軌道に乗って早数年。薬局の受付窓口で「この保険証、無効なんですけど、今日新しい保険証は手元にないですか?」→「本日は自費になります」と患者さんに言わなければならなかったことはまぁまぁ、1回や2回ではありません。
ただ、オンライン資格確認システムのおかげでいくらか解消しましたが、このシステムも即時反映ではないし、ちゃんとしている人でも国保と社保両方が有効な状態にある人もいたりして(無職で国保→転職で社保、国保をストップする申請が遅れていて国保も社保も有効でとても厄介)すべてをオンライン資格確認システムで正しく確認できない状態ですよね。※厚労省が「マイナ保険証に登録しても保険変更直後は健康保険証も携帯しましょう」と最近になってアナウンスしたのはかなり興ざめしました
しかし、数年前に比べて審査機関側でこういった無効な保険証を使用する患者問題に対応してくれることが増えましたね。本当に感謝感謝。十数年前は「返戻同意書」も「新しい保険番号の添付」も無しにバーンと返戻されて困ったことも多々ありました。近年はほぼ同意するかどうか確認してくださるし、最近では更に、薬局を介さず新旧の保険者間で振り替えてくれることも。初めて「振替通知」が来た時は感動したものです。これのおかげで返戻0件だった月もあります。
さらに余談
最後に、こんなことを言っては叩かれるかもしれませんが、実はうさぎ太郎自身はマイナカードと保険証は紐づけさせておりません。。。理由は①単純に面倒、②マイナンバーカードを持ち歩きたくない、③子どもに関してはマイナンバー通知カードのままほったらかしているため更に面倒くさい、から。とりあえず使える保険証(もどき)が手元にあるうちは手続きしない方向です。すべては「面倒くさい」に帰結します。オンライン資格確認で高額療養費の上限額は医療機関で確認してもらえるだけで個人的には十分です。※先にお薬手帳が普及して、オンライン資格確認システムを整備しちゃったからマイナの必要性薄れてしまいましたね。
そんな人もいるわけで、いまだに患者さんの「今、来局時点で」有効な健康保険をリアルタイムで完全に把握するのは難しいわけです(私が言うな、とみなさんお思いでしょう…)。
この先1年、本当にマイナ保険証以外健康保険証として認められない未来がくるのか、さらに何か経過措置がとられるのか・・・震えて待ちます!