介護保険

介護タクシーとは? 〜調剤事務が知っておくと良いことをまとめました〜

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調剤薬局で働くみなさん、こんにちは。調剤事務歴15年のうさぎ太郎です。

医療と介護の現場の中間にあるような薬局のお仕事ですが、このお仕事をしていたら耳にすることもある「介護タクシー」という言葉。どういうものかご存じでしょうか?

私自身が知らなくて失敗したので、調剤事務が知っておくと良いことをまとめました!

「介護タクシー」を知らなくて失敗した話

転職して1か月ほど経ったある日。ある患者さんがご来局されました。患者さんは足が不自由なおじいちゃんでした。

FAXで処方せんを受け付け、レセコン入力時の患者さんのメモにも「お帰りはタクシーで×××-××××(電話番号)」と伝言がありました。FAXで受け付けてから半日経過し、来局された頃にはレセコンの伝言欄に書いてあったことは忘れ、患者さんから「タクシー呼んで」と言われて近くのタクシーの営業所に電話して普通のタクシーを呼んでしまいました。

普通のタクシーが到着してから

患者様

・・・介護タクシーを呼んでほしいんじゃけどな・・・

と言われてしまいました。その時点でやっとレセコンの伝言欄にかかれた電話番号が介護タクシー専門ダイヤルであったことを悟りました。。。

うさぎ太郎

介護タクシーと一般のタクシーが一体どう違うのか分からないけど…とにかく再手配しなくては・・・!!

血の気が引いたうさぎ太郎。間違えて呼んでしまったタクシーには即平謝りしてお引き取りいただき、患者さんにも平謝りし、優しい患者さんは正しい電話番号を再度教えてくれ、すぐに介護タクシーの受付に電話しました。

しかし介護タクシーは一般のタクシーとは違い、すぐのすぐには到着しません。その辺に流しの介護タクシーがあるわけではありませんし、営業所から向かってもらうにも一般タクシーより台数と運転手さんの数も限りがあるので、出払っていたら「戻り次第」こちらに来てくれることになります。

そんなわけで、今回の患者さんは一般のタクシーに帰ってもらってから更に約30分程待合室で待っていただき、ようやく帰路につかれました。

そもそも最初から「介護タクシー」なるものが一体どんなものか知っていれば(伝言にももっと分かりやすく書いてほしいものだが)、「タクシー呼んで」と言われた時点で「指定のタクシー会社はありますか?」とも対応できたはずです。

というわけで今回の1件を受けて介護タクシーを勉強してみることにしたのでした。

調剤事務が把握しておくべき、介護タクシの要点!

最初に最重要点だけまとめるとこうです!

調剤事務として知っておくと仕事に役立つ介護タクシーの概要は・・・

管理人

介護タクシーは要介護状態の方や体の不自由な方が利用するためのタクシー。

利用料は介護保険の対象となります

タクシーは身体の不自由な人が乗降りしやすい車両になっています。スロープがついていたり、車いすでの乗車が出来たり。

そして、運転手さんは介護福祉関連の有資格者!なので移動や乗車の介助もしてくれます。

日常生活や社会生活を送るために必要な移動での利用が認められているので、もちろん薬局でも利用可。(趣味やレジャー等に使用することは認められていません)

私が新人さんにとりあえずさっと説明するならこのくらいの情報量だと思います。とにかくここだけ知っておけば普通タクシーと介護タクシーを間違えて手配することはないでしょう。

  追記:役立つコメントいただきました!

ももさんからのコメント

患者さんは介護タクシーを利用する際、タクシー会社と契約し、サービス内容も決められています。手配を頼まれたら、患者さんにタクシー会社の連絡先を確認!

とのことです。なので、介護タクシーを扱っているタクシー会社ならどこに電話をしても良いわけではなく、ちゃんと患者さんが契約して介護タクシーの利用を認められた会社にお電話しなくてはならないのだそうです。

リピーターの患者さんだったら以後分かりいやすいように伝言を残しておくこと、初来局の患者さんだったら最初にちゃんと聞き取っておくようにしないといけませんね。

うさぎ太郎

ももさん、ためになるコメントありがとうございました!

さて、のんびり読む時間のない人はここまでの要点を把握しておいていただければ業務に支障ないのではないかと思いますが、お時間ある方は以下は補足として読んでくださいませ。

介護タクシーサービスの内容

では、もう少し掘り下げて知っておきたい調剤事務さんのために、知っておくとさらに役立ちそうな情報を抜粋して書いていきたいと思います!日常業務に追われてなかなか介護タクシーについて学ぶ機会もないかもしれませんが、知っておくと業務にも自信の私生活でもいつか役立ちます。

出発時のサービス

  1. 利用者の自宅または老人ホームまでのお迎え
  2. 着替えなどの外出準備介助
  3. タクシーまでの移動と乗車介助

出発時のサービスを見るだけでも一般タクシーとはずいぶん違うのだと思い知らされます。建物と建物の間でのサービスかと思っていたのですが、着替えなどの外出準備介助までしてくれるんですね。もちろん要介護度で利用の可否があるのだと思うのですが、介護保険の手厚さがこれだけでも垣間見えますね。

目的地でのサービス

  1. 乗車介助
  2. 目的の場所までの移動介助
  3. 病院・薬局の受付までの移動介助
  4. 病院スタッフへの声かけ
  5. 受診後の会計、薬の受け取りサポートなど

薬局を利用する際などには上記のようなサービスを受けられるのだそうです。これはなんとなくイメージしやすいですね。ただ、移動介助だけがサービスかとなんとなく思っていたのですが、医療機関スタッフへの声掛けや、会計や薬の受け取りサポートなど介助してくれる運転手さんのご厚意だと思ってたんですよ。これらも介護サービスの一環だったんですね。

もちろん薬局スタッフもお手伝いできる部分はするのですが、薬の受け取りや会計のサポートまで介護タクシー運転手さんのお仕事の範疇とするなら、やたら手出しをせずに安心してお任せしてもいいいのだなと心構えが違ってきます。知らずにあたふた対応するのではなく、介護の有資格者にしっかりお任せしてOK。知っておくって役に立つ!

帰宅時のサービス

  1. 降車介助
  2. 室内までの移動介助
  3. 必要に応じて着替えやおむつ交換など

出発時のサービスと同様、帰宅時も必要と認められていればおうちの中までサービスに介入してくれます。介助が必要な方が「これだけの介助してもらえたら十分!」というわけではないとは思いますが、全く介護保険でどんなサービスが受けられるのか知らなかったうさぎ太郎からしたら、意外に手厚いサービスに驚いたのでした。

以上が医療機関にかかる際に介護保険の範囲内で受けられるサービスです。サービスの細かい内容を知ると、行政の手厚さが見えてきました。

介護保険の利用者さんがこれで十分と感じられるかどうかは別として、介護タクシーについて調べただけでも、40歳を過ぎて納めている高くない調剤事務の給料から、安くない給与天引きの介護保険料がちゃんと社会の役立っていることを実感しました!知ることで納得して払えますね。

原則、同乗者がいる場合は利用できない

さて、上記のように意外と手厚いサービスが受けられる介護タクシー。

気を付けなくてはいけないのは、原則は利用者本人だけが介護タクシーに乗車する場合のみ介護保険が適用になること。介助してくれる人が同行していれば介護保険の対象外だということですね。(※ただし個人によって認められる場合もありますので、一概に全員ではありませんが)

なので、いつも一人で薬局に来局される患者さんが、もし家族等の介助してくれる人と一緒に来局された際にタクシーを呼ぶよう頼まれた場合、「一般のタクシーですか?介護タクシーですか?」と確認できれば親切かもしれません。

ここまで気を使えるようになればベテランの調剤事務って風格が醸し出されるような気がします!

「介護タクシー」は正式名称ではない

最後に。ここまで「介護タクシー」と連呼してきましたが、介護タクシーという名称は、実は正式名称ではないのだそうです。

管理人

法令で決まっている呼び方はなく、通院等乗降介助というサービスを行うタクシーの通称が「介護タクシー」とのこと。

介護保険が適用されるものを「介護タクシー」適用されないものを「福祉タクシー」や「ケアタクシー」などと呼んで区別するのが一般的なんだそうです。

でもタクシー会社も「介護タクシー専門ダイヤル」とか名乗っていたりするし、ほぼ正式名称化している感がありますね。これは豆知識として知っておいたらいいかな、という程度です。

ただ、利用者さん全員が「介護タクシー」という名称で呼ばないかもしれない…ということにもなりますのでやっぱり知っておいて損はない部分です。

調剤事務が知っておくべき介護タクシーの知識はここまでOK。その理由とは。

いかがだったでしょうか。調剤薬局で働くみなさんは介護タクシーって知っていましたか?言葉では聞いたことがあっても、内容はあまり知らない事の方が多いんじゃないのかな、と個人的には感じています。

もっと掘り下げれば、介護タクシーの利用には「要介護1〜5」の認定が必要とか、ケアプランに組み込まれているかとか、利用料もこのサービスはこの料金、このサービスはしてもらえるけど介護保険対象外、というようなもっと細かいルールはあるようです。

なのですが。薬局の店頭で介護タクシーを頼まれた時に「介護度は?」とか「介護タクシーがケアプランに組み込まれていますか?」みたいな事は薬局スタッフが踏み込んで質問することではないし、場合によっては患者さんの気分を害することもありそうなデリケートなプライベートなことです。

なので、この記事では調剤事務として知っておくこととしてまとめさせていただきました!

もし更に深堀りして勉強したい場合はこちらのページがオススメ→【はじめての方へ】介護タクシーの料金と利用方法について – LIFULL 介護(ライフル介護) (homes.co.jp)

↑医療機関・介護施設側向けではなく、あくまで利用者さんに分かりやすいように書いてくださっています^^ 利用者さん目線で知りたい場合はこちらを読んでおくと更に色々と詳しい人になれますよ!

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うさぎ 太郎
調剤事務歴15年(2024年現在)のウサギです。 何年やろうと初めてのことが起こる世界、薬局。 この世界の情報を共有したり、共感したり、時にはグチったりしたい。 そんな想いで「調剤事務のお部屋」を開設しました。 調剤薬局にまつわることなら何でもコメントOK。 「調剤事務のお部屋」だけど薬剤師さんもどうぞ! このサイトが存続する限り、時間の経過した記事にも遠慮なくコメントくださいませ。
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POSTED COMMENT

  1. もも より:

    介護タクシーご利用の患者さんがおり、よく電話をしてましたが予約したりしてましたよ😁
    雨の日や連休前の午前中はご利用が多かったイメージです💡
    介護タクシーは患者さんと契約とかが必要じゃなかったかな?
    ちょっと調べてみます✏️

    • なんと!事前の契約・予約も必要なのですね!
      ・・・と「介護タクシー」「契約」で検索かけてみたらちゃんと書いてくれている介護タクシーのHPもありますね。
      完全に私の勉強不足でした。
      ということで、【患者さんに介護タクシー会社の連絡先を確認する必要がある】ことを追記しておきます!
      ご指摘ありがとうございます(*’ω’*)

      介護タクシーを呼んでほしいと頼まれた時に「どこの会社でもいい」と言っていた患者さんもいたんですが、
      その方は介護保険の範囲外(福祉タクシー)としての利用だったのかな・・・と今になって考えています。
      まだまだ謎が深い介護タクシー。。。

      • もも より:

        福祉タクシーの可能性ありますね…

        私も調べるきっかけになりました☺️
        きっかけをありがとうございます!
        また投稿楽しみにしています♪

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