医療・介護業界に転職を考えている人で、これから出産・育児を考えている人へ
「女性が働きやすい」として掲げられる職種として常に通信教育等でもおススメ上位にあがる、医療・調剤・介護業界の事務職。
事務職ながら「手に職」系であること、全国どこでも求人が多いことがその理由です。
このような医療業界に転職を考えている人の中で、出産・育児という人生の一大イベントをこれから控えている人はもうすこし踏み込んで考えてどこの職場で働くか、今一度考えてみてほしいなと思います。
「産休・育休のとりやすさ」はその後も仕事を継続するにあたって本当に重要だと思っています。あくまで私個人の体験談にはなりますが、「ドラッグストア併設型薬局」での産休育休のリアルな実体験をお話ししたいと思います。
これから医療業界の事務職へ転職を目指し、その後出産・育休を考えている人の少しでも参考になれば幸いです。
産休・育休取るなら調剤事務推し。ドラッグストア併設型の薬局で働いていた私の産休・育休リアル経験談
さて、率直に言ってドラッグストア併設型薬局で調剤事務として働いていた私の産休・育休はとりやすかったか、というと、
めちゃくちゃ、とりやすかった!
と言えます。文句なしに取りやすかったです。
理由は以下。
- 育休・産休取得率100%の会社(そうしないと薬剤師確保できないので100%です)
- 30を超える店舗があり、人材は補い合える
- 人事は本部が一括、店舗の人には人員入れ替わりの負担はあれど、現場は「お互い様」の意識でみんな祝福してくれる
- 本部への報告も、社内共有ソフトのひな形で報告するのみ。上への報告の緊張感なし
- 育休延長も人事の担当者と連絡とるのみ。経営者じゃないから嫌味も言われない
どうでしょう?小さい規模の薬局だと上記の様にはいかないかもしれませんが、おそらくそれなりの規模のチェーン、ドラッグストアチェーンなら似たような感じだと推測します。
こんな感じで、産休・育休に関して不満はありませんでした。現場の人には祝福と励ましをうけ軽やかに産休に入り、戻りたいタイミングで戻していただきました。
オマケに調剤薬局って女性多めの職場環境なので妊娠出産の経験者も多く、妊娠報告後は業務中も「つわり大丈夫?」「おなか張ってない?」「さっき患者さんどっときて忙しかったね、ちょっと座って休みなよ!」とみなさん優しく対応してくださったのでした。妊娠・出産に関して不安なことは経験者に聞くこともできたし、当時の環境に心から感謝!
ちなみにこの産休育休の取りやすさ、OTC・調剤事務・薬剤師でも分け隔てなくこんな感じでした。この体制のおかげもあり、私自身も誰かが妊娠したとなれば心から祝福できたし、この規模の会社だと調剤事務も薬剤師さんも妊娠出産経験者がある程度いるので、妊娠中の体調不良で辛いときはお互い様の気持ちでフォローしてもらえたし、フォローしました。
※育休復帰後の働きやすさに関してはまた別問題でして、それはこの記事の「おまけ」で書くことにします。「産休・育休の取りやすさ」に関しては120点満点だったとご理解ください。
医療事務・介護事務・調剤事務、出産と育児において働きやすいのはどれ??
さて、私自身の産休・育休体験談は前述したとおりです。何の不満もありませんでした。
では。病院・薬局・介護分野における事務職はどれも女性の働きやすさが売り文句な職業ですが、産休・育休において差はあるのだろうか・・・?と考えた時に思ったことは
どの業界で働くかより、経営者と現場が直結していないと産休・育休はとりやすい!
ということ。
というのも病院は規模にもよるけど、個人病院の医師が経営者である場合は直接その医師に産休・育休を申し出ないといけないし、復帰時期についても割とシビアに話をされると思います。
個人病院だと人員にあまり余裕もたせていないことも多いので、産休・育休期間の補充人員は有期契約になったり、予定通りに育休復帰ができないトラブルがあると、双方で処理が煩雑になることでしょう。
育休復帰が予定通りに叶わず、それはやむを得ないことなので、産休を取る人が責任を感じる必要はないというのは理屈としてはそうなのですが・・・。チェーン展開ができる薬局と比較すると個人病院はなんとも気持ちが安らかではいられない気がする・・・気がします。で、結局政治が悪いだのなんだのの話にもつれ込んじゃうイメージですよね。
介護施設や大手病院だとそこまででもないかもしれませんが、やはり、「ひとつの建物の中で経営が完結している」タイプの職場だと、多少の肩身の狭さというのはあるようです。
というのも、私が身内で下記のような例を目の当たりにしてしまったからです。
産休が取りづらかった会社と、かたや取りやすかった私の会社。どのような差があったかそれぞれ実例を挙げてみたいと思います。
①実録:個人歯科医院で産休が取れなかった身内の話
身内に歯科医院ではたらく女性がいました。(彼女は事務員ではなく、歯科衛生士でしたが)まだ出来て3年ほどのピカピカの人気の歯科医院でした。
彼女は車で30分かけて通勤していたのですが、妊娠中の悪阻が負担になり、通勤中の運転すら危うくなります。産休まで休職したい旨を院長に伝えましたが「前例がない」という理由で休職の要望が通らず。休職できなければ在籍できないので退職を余儀なくされました。(法律上では医師の診断書があれば認められるはずなんですが)
小規模クリニックが「前例がない」という理由で要望を通さなかったら、その後もおそらく同様の理由でなかなか「産休まで休職」は叶わない気がします。。。
その歯科医院、その後産休・育休の取得実績は少しずつ増えましたが、伝え聞く話では、復帰時期も産休取得前に相談して決めているので「予定時期に保育園が決まらなかったら、院長にまた直談判しなくてはいけない」というプレッシャーとともに産休は始まるようです。
「悪阻のため産休まで休職」を受け入れてもらえなかったこの歯科医院で「保育園が決まるまで育休延長」を受け入れるどうかは私は知りません。。。
これは病院の中でも歯科医院という一番規模としては小さいタイプの会社の一例ですが。これより従業員数が増えようが、病床数が増えようが、介護施設なら契約者数が多かろうが少なかろうが、やはり「ひとつの建物の中で経営が完結している」会社だと同様の傾向があるんじゃないかなと思います。
②実録:ドラッグストア併設型薬局は経営者と直接繋がらないのでプレッシャーは最小限だった話
さて、その点調剤事務についてはどうでしょうか。私がドラッグストア併設タイプの調剤薬局勤務だったのですが、私の体験談をもう少し詳細に解説したと思います。
私の勤務する会社はドミナント展開しており、ところどころ人員に余裕のある店舗をもって経営していました。普段から(コロナ禍で欠員がバタバタ出た時も)近隣の店舗で人員を補いあってなんとか。
会社の成長戦略としては今後もまだまだ店舗を増やしていこうとしているので、産休・育休の人がいようと、補充には有期契約ではない人員を増やしていきました。産休・育休の人が復帰して人員に余裕が戻れば、また新店をオープン出来るので好都合というわけですね。
なので、そもそも「産休・育休で減った人員を有期契約の人で補う必要がある」小規模の会社とは違い、「常に良い人材を増やしたがっている」状態です。
こういう会社はとても産休・育休がとりやすいです。ついでに言うと、薬局は常に薬剤師の確保に躍起になっているので、女性が多い薬剤師業界は育休・産休について最低限法律通りには体制を整えている可能性が高いので調剤事務もあやかれます^^
就業規則でも「育休はこどもが原則1歳になるまで」「保育園に入れないなど理由がある場合は1歳半・2歳・3歳まで」と延長が可能なことも明記されています(区切りごとに会社に申請は必要)。
なもんで、当初は1歳で復帰と約束して産休に入りましたが、2歳まで延長している間に第2子を授かり、育休中そのまま2回目の産休に入りました。会社には「1歳」「1歳半」「妊娠」の報告が都度必要でしたが、
連絡は経営者ではなく総務の担当者にするだけ
だったので、誰からも嫌味を言われることもなく「はいはい~、了解です~」と言われるだけでした(*’ω’*)。もちろん総務の担当者さんにはお手間をかけてしまうので、そこはちゃんと謝るのですが、本当にやりやすくてありがたかった・・・!!
意外と重要な「経営者に直接話さなくてよい」という労働環境
そんなわけで、「産休・育休のとりやすさ」という観点で考察すると、それなりの規模の調剤薬局というのは「経営者と直接話さなくていい」という点で医療介護事務業界の中でも「とりやすい」と言えるのではないでしょうか。もちろん、
個人病院でも介護施設でも個人薬局でも、経営者が働きやすい環境を整えられているのであれば、この限りではない
および
調剤薬局でも産休・育休がとりにくい会社もある
ということは言うまでもありませんので、その点ご理解くださいね。採用面接を受ける前にしっかり会社のリサーチして転職に臨んでみてください。
この記事を読んでくださったみなさまがこれから先、少しでも働きやすい職場に出会うことが出来ますように。
おまけ:育休復帰後の働きやすさも考えておこう
さて、産休・育休においては割と「働きやすい」といえる調剤事務ですが。
これから出産・育児を視野に入れて働き口を探したい人にもう1つ考えておいてほしいことがあります。
それは「育休復帰後の労働条件」。そもそも妊娠前の状況でここまで面接で踏み込んで聞くことはなかなか難しいと思いますので、「転職会議」等の口コミサイトでリサーチしておくといいかもしれません。
私の住む地域のドラックストア併設調剤薬局でも
時短勤務に関しては「3歳まで」「5歳まで」「小学校入学まで」と会社により様々です。
ここまでリサーチしておいて勤め先を決めていくと、今後の人生劇的に「生活のしやすさ」が変わります。
私が勤めていた会社は「時短は子ども3歳になる日まで」でした。そのため正社員を辞めざるを得なかった人間なのですが、小学校入学まで時短可能な会社だったら家計状況は今と違っていただろうな・・・
何歳まで時短勤務可能かは、働く正社員ママたちにとって死活問題であります。同業他社で選びしろのある方、ぜひそこまで比較検討して「働き続けることが可能」な会社にたどり着いてもらいたいと思います。
以上、おまけでした!
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