介護保険

65歳未満の介護保険×生活保護は「介護保険被保険者証」が・・・ない!

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介護保険の利用者はみんな「介護保険被保険者証」をもっているもの・・・と思っていませんか?私は思っていました。
そうしたら先日のこと、介護施設の人に「新しく施設にご入居された○○さん、介護保険ご利用とのことなので介護保険証確認させてください」とお願いしたら

施設の人

・・・ありませんけど?

と言われました・・・。

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なぜ・・・そしてどうやって介護保険の内容を確認すればよいの??

という状態に・・・介護保険の被保険者のはずなのに介護保険証を持っていないのは一体なぜ?

今までは施設に新しい入居者さんが入られたら流れ作業的にすべての保険証を確認させてもらっていましたが、ここでやっと施設入居者さんについてちゃんと確認すると

  • 65歳未満
  • 生活保護受給中
  • 介護保険利用中

でした。この患者さんはなぜ介護保険証を持っていないのか(ピンとくる人は来たでしょうか)。調剤事務として働いて15年、まだまだ知らないことばかり。調べました。。。

65歳未満でも介護保険が利用可能な人

冒頭で「介護保険証はお持ちでないと言われた介護保険利用者さん」はよくよく見ると65歳未満でした。

そもそも、介護保険の利用は原則65歳以上から。でも特定の疾病がある人は65歳未満でも介護保険の利用を認められるとのこと。

【39】の後期高齢者資格も、75歳未満でも一定の障害をお持ちの方が認められるように、介護保険でも開始年齢を早められる事例があるということです。

65歳未満でも介護保険が認められる特定16疾病は以下の通り。

  1. がん(がん末期)
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、及びパーキンソン病
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節または膝関節に著しい変形を伴う変形性関節症

上記疾病をお持ちの場合は、65歳未満であっても介護保険の利用が認められるとのこと。

これ知っていたら自分自身や身近な人が該当する病気になってしまった時にも「介護保険が利用できる」って判断出来て役に立ちそうです。

65歳未満×生活保護×介護保険だと確認方法は「介護券」のみ

さて、冒頭の「65歳未満+生活保護+介護保険」の患者さんの場合、介護施設の人に

施設の人

この患者さんの介護保険証はありません!

と言われたわけですが、じゃあ一体どうやって介護保険の保険番号・認定期間・介護度を確認すればいいのかというと

大先輩

福祉事務所から発行される「介護券」でしか確認できません。

と大先輩から教えてもらいました。あぁぁ、なるほど・・・生活保護も調剤券でなければ確認できないもんねぇぇぇぇぇ。。。と言われて初めて気が付きました。

こちらの別記事に書いたように、私は生活保護患者にも「生活保護受給者証」を発行してほしいと切に願っています・・・。)

ということで、「65歳未満+生活保護+介護保険」の患者さんは福祉事務所で介護券を発行してもらえるまで介護保険のレセコン登録ができず、故に初回受付の際は、タイミングが悪いとレセプトに間に合わず月遅れ請求案件となる可能性もはらんでいます。。。お願い、生活保護患者さんに正式な受給者証を発行して(ちゃんと内容確認ができるやつ)。。。

管理人

もちろん患者さんは何も悪くない

やっぱり制度がね・・・生活保護患者さんに「生保の受給者証」も「介護保険被保険者証」も発行してほしいなぁぁぁぁぁ。。。

生活保護はオンライン資格確認も出来るようになりましたが、それでも番号がないと照合できないから新規患者さんの時には結局福祉事務所に問い合わせが必要だし、時間外だと問い合わせできないし・・・生活保護も介護保険も受給者証があれば解決なんですが。。。なんで無いのか詳しい人教えてください。

65歳未満+生保+介護は、介護の方に請求100%

これは私の覚書きなのですが、私の薬局で使っているレセコン(EMシステムズのレセプティネクスト)は、保険登録時に各種保険の負担割合を「場合によっては」自分で入力しなければいけません。そして今回の案件は「場合による」案件でした。

65歳以上の生保+介護保険利用患者さんは生保と介護の併用になるため、介護券も「併用」と記載があり、レセコンでの患者さんの負担割合は「介護で10%」「生保で0%」と自動でなるのですが、65歳未満の生保×介護の患者さんは少し違って手動で訂正が必要でした。

というのも、65歳未満の生保+介護患者さんは【介護単独】の扱いになります。

なので、介護券も↑のような記載となり「単独」扱いです(番号も頭文字がアルファベットになっていて区別しやすい)。ということで、レセコンでの患者さんの負担割合は「介護で100%」「生保で0%」と入力して正しい処理となります。

分かりにくいし、件数も少ないので保険登録のたびに「んん?」となりますが、みなさまお気を付けくださいね。

考え方としては生活保護の患者さんは【21】や【54】【52】等の公費をお持ちの場合、生活保護に請求することなく、全額公費に請求しますよね。(公費の優先順位は生活保護が最下位なので)それと同様だと捉えておくと忘れにくいと思います。

呪文のように覚えておきましょう【65歳未満生活保護の介護保険利用は介護に100%請求】。。。。!

おまけの知識!「65歳未満×生活保護×介護」の患者さんをみなし2号という

この記事ではずっと「65歳未満×生活保護×介護」と表現してきましたが、実はこの組み合わせの患者さんのことをこう呼ぶそうです。「みなし2号」

こういえば福祉事務所や介護施設の人とのやりとりもスムーズになりそうだし、覚えておけば先方から急に「この患者さんはみなし2号なので介護保険証はありません」と言われてもすんなり理解できるはず。きっと覚えておくと便利です。

ちなみに今回記事を書くにあたっていろんな資料を参考にしましたがとても端的にまとめられているのはこちらでした。のでリンク貼らせていただきますね。

介護保険は生活保護受給者でも受けられるの? (hokensc.jp)

介護保険は健康保険に比べて取り扱う件数が少なく、ちょっとしたイレギュラーなことも忘れやすいもの。みなし2号の患者さんに出会ったら、頭の片隅に「調剤事務の部屋のうさぎが言ってたなぁ・・・」と思い出していただけたら幸いです。

ABOUT ME
うさぎ 太郎
調剤事務歴15年(2024年現在)のウサギです。 何年やろうと初めてのことが起こる世界、薬局。 この世界の情報を共有したり、共感したり、時にはグチったりしたい。 そんな想いで「調剤事務のお部屋」を開設しました。 調剤薬局にまつわることなら何でもコメントOK。 「調剤事務のお部屋」だけど薬剤師さんもどうぞ! このサイトが存続する限り、時間の経過した記事にも遠慮なくコメントくださいませ。

POSTED COMMENT

  1. もも より:

    介護、本当に分かりません🤦‍♀️
    参考にされている本はありますか?

    • ももさん

      初コメントありがとうございます(嬉)

      しかし本も買わずに、勉強もせずに、なんとか実践で経験を積んでいこうとしています(苦笑)
      参考にならずすみません。。。1から勉強せずに、ぶつかった壁から勉強していくタイプです。。。

      以前ももさんがインスタで調剤事務の参考になるアカウントをいくつか紹介してくださっていましたが、
      そのアカウントの「とりさん」をこれから読み漁って勉強しようかな・・・と思って全然読めていない今日この頃です🐇。

      • もも より:

        遅くなりました😭😭

        少し前にライトさんという方が介護保険についてPDFデータや音声を販売されました💡

        包括支援の方です。

        薬局に関わる事は書かれてなかったですが、施設の種類などかなり勉強になりました✨

        専門書ではなく、利用者の家族さんへの説明とかで使って欲しい!との考えで作成されてます☺️

        • ももさんの情報収集力、本当にすごいです✨
          ライトさん、インスタにて無事発見できました。
          そして、ももさんは無料の情報だけでなく
          ちゃんとした知識を買って勉強されているのですね。頭がさがります!

          ももさんと繋がれてよかったです(*’ω’*)

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