介護保険

介護保険初心者の調剤事務のための基本3000字解説!

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介護保険を取り扱うようになって丸1年の管理人うさぎによる、調剤薬局における介護保険の取り扱いの流れをまとめました。

というのも、それまでドラッグストアで面で広域の処方せんを受け付け、介護保険など扱ったことがなかった私が、1年前介護施設を中心に取り扱う薬局に転職した時にこう思ったから↓

うさぎ

介護保険について検索したら色々でてくるけど、じゃあ実際、調剤事務はどこを押さえておけばいいのかが分からない!!!

先輩は作業は教えてはくれるけど全体の流れが見えない!!

どういう流れで仕事するの??

と、出だしから混乱したからです。

調剤事務の、調剤事務による、調剤事務のためのカンタン介護保険解説!初心者のために3000字(ちょっとオーバー)にまとめてみました!

このページでは超初心者向けとして、「医療保険部分」は省き「介護保険部分」の基本の流れの解説にとどめます。細かいことは、このページを基本に枝葉を伸ばしていきたいなと思いますのでご了承ください。

そもそも

介護保険の利用とはどう始まるのか、を利用者さん目線で簡単に説明すると

1.担当のケアマネジャーや主治医に相談(まずは医師経由か福祉事務所・地域包括支援センターでケアマネ探し)

2.ケアマネジャーが状況に応じて、訪問してくれる医師や事業所を探す

3.事業所側が対応できるか確認

4.契約・利用日の決定  
←薬局の介入はここから!

5.主治医の指示に基づくサービス開始

               老人ホーム・介護施設を探すなら、ライフル介護

こんなかんじ。ふむふむ。薬局側から高齢者施設やケアマネさんの所属会社に営業をかけることはあるけど、全てはケアマネさん主体です。薬局は依頼されて契約書を交わしたところからサービス開始!という流れなんですね。

これが医療保険だと流れが変わるのですが、介護保険はこんな感じ。

①契約書をもって居宅療養指導料の算定が始まる

ということで、介護保険を利用して薬局が居宅療養指導料を算定するためには患者さん(もしくは代理人)と、薬局で介護サービスを利用するという契約を交わさなくてはいけません。

契約成立した日から算定可能です。

ちなみに管理人は最初居宅療養管理指導料を算定するにあたり

うさぎ

居宅療養管理指導料を算定しろって言われたけど、介護保険に関して調剤事務がそれ以外にすることは??みんなそれしか言わんけど・・・

と思っていたけど、介護保険に関しては本当にそれ以外にすることはありません。

契約後の基本的な流れはこれだけ↓

薬剤師が患家を訪問・指導
居宅療養管理指導料を算定する(間隔は7日開け、月4回まで)

※末期がんの場合はその限りではない

レセプト請求する

これをするために、他に色々確認することがあるという感じです。

医師は○回/月、病院所属の薬剤師は○回/月、管理栄養士は○回/月・・・と職種によって月に算定できる回数は異なりますが、とにかく薬局の薬剤師は月4回まで算定可とシンプルに覚えていたらOK。

※訪問・算定するためには医師からの事前に「訪問指示書」もしくは「処方せんに訪問の旨を記載」が必要なのでそれは毎回確認です。

うさぎ

介護保険証に介護サービスの利用上限単位ってのが記載されているけど、居宅療養管理指導料はその上限の縛りを受けません。何が何でも薬剤師は月4回まで算定可能です。

コメントさん

追記:終末期医療の患者さんに訪問管理指導する場合は月4回の上限を超えて【月8回かつ週2回まで】算定が可能になります。

これを踏まえた上で、以降を読んでくださいね。

②居宅療養管理指導料を算定するために介護保険証を確認しよう

契約が無事完了したら介護保険の請求のために必要な保険証は2種類。

①介護保険被保険者証
(保険番号・認定期間・要介護度の確認)
②介護保険負担割合証
(1割・2割・3割の確認)

この2つの保険証に書いてあることを正しくレセコンに登録できなかったら返戻になります。逆にそれ以外に返戻になる理由はまずありません。レセコンに居宅療養管理指導料を1つ入力するだけなので、健康保険を用いた処方せん入力よりはるかに単純です。

この2つの保険証をどうやって確認するか・・・は、施設・病院・本人・ご家族・ケアマネによって異なると思いますが、どうにかしてゲットするのみ。

何度お願いしても介護保険証のコピーをご家族からもらえない患者さんについて、市役所に問い合わせしたことがありますが、個人情報なので絶対に教えてもらえませんでした。とりっぱぐれることのないように基本的には契約時に見せてもらうことが多い気がします。(更新の時はまた都度)

オンライン資格確認システムで介護保険も確認できるようになる日が来るのを願うばかりですが、今のところ(2024.10現在対応していません

うさぎ

ちょっと健康保険の話に逸れますが大事なのでここで一言!

介護保険を利用して居宅療養管理指導料を算定したら、当月の健康保険(処方せん入力の方)を利用した処方せん1枚につき1回「在宅薬学総合体制加算1.2 15点ないし50点」が算定できるようになりますので、要件を満たしている薬局さんは算定お忘れなきよう。※居宅を算定している病院以外の医療機関でも算定可能ですが、レセプト審査側に分かるようにレセプト摘要欄に「他医療機関で居宅算定済み」等のコメントが必要な県もあります。

参考はこちら→【在宅薬学総合体制加算】について徹底解説~令和6年度調剤報酬改定で新設!!~|アウトドア薬局 (pharmacyoutdoor.com)

③レセプト請求前に「介護券」を福祉事務所に請求しよう

さて、ここまでの流れが掴めたらあと一息です。

毎月レセプト請求前に生活保護患者さんの「調剤券」を福祉事務所に請求していると思いますが、介護保険利用者さんの中にも生活保護患者さんがおられます。この場合は「介護券」が必要です。

私の働く市町村では1度請求を始めると、調剤券と同様に、介護券も自動で送られてくるようになるのですが、調剤券同様、なぜだかやはり全員分送られてこない謎。1人2人ポロポロ抜けがあります。調剤券も介護券も(新規患者でもないのに)毎月毎月、何人分か足りないのは私の住む地域だけかしら。。。?と疑問に思いますが、福祉事務所さんにも言い分はあると思いますので、足りない分は薬局からちゃんと請求するのみです。調剤券と同じです。

時々要介護度の区分変更したことを、患者さん側から連絡なく、介護券を通して薬局側が把握するに至ったりすることもあるので、記載内容とレセコン登録が相違ないか確認しましょう。

必要な介護券もそろったらレセプト請求です。

④患者本人負担分の請求をする

ここは、各薬局、施設ごとでも請求の仕方、受領の仕方は様々だと思うので一括して説明することが難しい部分。

きっと各薬局で調剤事務さんがヤキモキしながら手を焼いているのがこの部分なのだと推測するのですが、ここは各薬局でブラッシュアップするしかないところ。。。

生活保護患者さんの介護保険利用だけだととても簡単なのですが、薬局に来局しない患者さんから窓口負担分をちゃんと回収するのは本当に手間取りますね。。。介護保険患者が数人だけなら訪問する度に徴収もできるでしょう。数十人単位で月に1回まとめて請求とかになると大変ですよね。

おそらくここまで基本の流れより、業務に慣れたみなさんが苦労している部分はここのように思います。みんな、業務の簡素化お互い頑張りましょう。。。

基本はここまで!おつかれさま!

ここまでが超基本の流れです。

いかがでしょうか。④の患者本人負担分の請求部分が薬局によってはめちゃくちゃ面倒くさかったり、薬局や施設によってやり方はバラバラなのでまとめて解説するのは難しいのですが、するわけですが、介護保険の取り扱い初心者さんが、おおまかな流れをつかんでいただけたら幸いです。

読むと面倒に思えるかもしれませんが、やってみると基本的には一般の処方せんをレセコン入力するよりはるかに単純ですので、あまり身構えずに臨んでみてください!

薬剤師さんは管理・訪問・報告書と大変ですが、調剤事務的には一般の外来受付の方がよっぽど難儀…とうさぎは感じております。

ABOUT ME
うさぎ 太郎
調剤事務歴15年(2024年現在)のウサギです。 何年やろうと初めてのことが起こる世界、薬局。 この世界の情報を共有したり、共感したり、時にはグチったりしたい。 そんな想いで「調剤事務のお部屋」を開設しました。 調剤薬局にまつわることなら何でもコメントOK。 「調剤事務のお部屋」だけど薬剤師さんもどうぞ! このサイトが存続する限り、時間の経過した記事にも遠慮なくコメントくださいませ。

POSTED COMMENT

  1. もも より:

    こんばんはー🌕

    多分、分かりやすく簡単にまとめてくださっているのでココに書くか悩んだのですが居宅療養管理指導は末期がんなどの場合は「週2回かつ月8回まで」になるかなー。

    それと調剤券(介護券はまだ良く分からず😭)は地域によって定期発送してなく、毎月申請の地域もありました💦
    ある市町村の××さんが来局したら、忘れずにすぐ福祉事務所に連絡してました😅
    県内の方ではありますが…

    余計な事書いてごめんなさい🙇‍♀️

    • ももさん、ご指摘ありがとうございます!
      そう、終末期は8回算定OKなのは知っていて省いてしまいました。
      簡潔にしたかったのと・・・まだ事例として出会っておらずよく分かっていないから(爆)

      本文に書き足しておきます!(また別記事で詳しく調べたいところです)
      ちなみに終末期で月8回算定する場合の条件(麻薬が出ていれば、とか、医師の指示必要とか)とかあるのでしょうか?
      薬剤師判断で8回いけるのでしょうか?教えてくださるとありがたいです(*’ω’*)

      あとあと、調剤券の話!そうなんですよ。地域差ありますよね。
      私は「新患以外全員分揃えて発送してくれないなら、いっそ定期で発送してほしくない」派です(;´・ω・)
      そしたらレセコンから対象者全員分のリストは簡単に出せるのでFAXするだけなのに。。。
      中途半端な人数分だけ送ってこられるから確認の手間が半端ないです。。。

      あと、調剤券に関しては「毎月受給者番号が変わる市町村」に出会ったことがあります。
      初めて出会ったときは毎月保険登録が増えていくことに発狂しそうになりました(笑)😅

      地域差、困ります(;´・ω・) 長文ごめんなさい!

      • もも より:

        あえて省かれていたのですね💦
        余計なコメントでしたね🙏
        ごめんなさい💦

        月8いける人の条件…🤔
        月8までいけるに関して、私は文字でしか勉強してなくて😭

        調剤券…分かります😭
        全員だとレセコンから印刷でいけるんですが、今は照合して…が私もあります😓

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