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処方せんにブドウ糖、これは保険請求可能ですか?

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こんにちは、調剤事務歴15年のうさぎ太郎です。

どこの薬局にも糖尿病の患者さんのためにブドウ糖を備蓄されていると思います。おそらくメーカーさんがくれるやつ。最近は本当に必要最低限しかいただけなくて、小規模な薬局はメーカーさんや卸さんにいただくのに苦心されている場合もあるかもしれませんね。

さて。そのブドウ糖、医師が処方せんに処方として「Rp1)ブドウ糖 10g 低血糖時 10回分」記載していたら、いったいどうしますか??

今回は実際に私が経験したというブドウ糖の処方で困った時のお話です。

うさぎ太郎

いつも無料でお渡ししているブドウ糖、処方せんに書かれていたら保険請求は認められるの!?





処方せんに記載されたブドウ糖

一般的に糖尿病の薬が処方されている患者さんには、薬剤師さんが投薬時に患者に聞き取りして、必要と感じたらメーカーに無料で提供してもらっているブドウ糖を必要量お渡ししているのではないでしょうか。

特に医師からの指示も不要ですし、お守りとして持っておいてもらいたいと思うものです。

ですが、私の働く薬局でこんな処方がありました。

備考欄に「ブドウ糖を渡してください」程度のコメントを見たことはあるけど、レシピとしてちゃんと記載されています。

うさぎ太郎

ちなみにブドウ糖は、ちゃんと薬価収載されていますので、健康保険の対象として扱うことは出来そうです。なので普通に頓服薬としてレセコン入力でOK・・・ということでいいと思いますか??

薬剤料のみ算定可能。調製料や管理料は外しておきましょう

「処方せん ブドウ糖」でネット検索をかけると同じようなお悩みが出てきます。こちらのファルマウスさんのブログが薬剤料以外が保険適用にならない理由を分かりやすく解説してくださっていますので、引用してご紹介します。

ブドウ糖は薬剤料だけ請求する、おそらくこれが正解です。今の所、これで返戻の経験はなし。

前の記事で書いた、検査薬の処方せんと同じ対処法ですね。

検査薬の処方箋はレセプトが通らない?

管理薬剤師.comさんでもブドウ糖のレセプトに関して同じ結論が書かれているので、多分正解だと思う。

しかし、薬剤料以外の請求を避けたほうが良い理由は、前述のように適応が無いからなのか、それとも検査薬とかと同じ扱いだからなのか、その辺りは自分の中でもはっきり整理できていません。すみません。

調剤料とかも請求したら通ったという話も聞いたことがありますが、個人的にはあまりおすすめできないですね。たまたま見逃されたとか、今後は通らなくなる可能性とかも十分あると思うので

ファルマウスさんのブログ「ヤク×サキ」より引用

この一件の処方せんを受けて以来、もしブドウ糖が処方せんに記載されてきた場合は、私の薬局でも一律に「経口」で低血糖時の屯用としては調製料・管理料は算定せず薬剤料のみ算定しましょうというルールになりました。

糖尿病患者さんの低血糖の予防って命に関わることですし、医師の指示に従ってお渡しするのに通常の処方薬同様の扱いが出来ないのも腑に落ちませんが・・・ニトロペンと一緒で、命を守るために常時携帯するものなのに…でも仕方ない。。。

「予防目的のうがい薬同様、予防としての処方は認められないってことなのかなぁ」と調剤事務目線で何とか自分を納得させるのでした。

薬局サイドからすると、薬剤料だけいただいて、分包紙代・薬剤師の手間賃分は損するという感じですが、仕方ないです。。。不思議がいっぱい保険制度。妙なところだけキッチリしてますよね。

疑義照会で医師に削除依頼してもOKでした

と、いうことでですね。その処方せんを受けた時の私の薬局では

  1. メーカーから無償でもらえるブドウ糖しか在庫してなかった
  2. でも患者には即渡したい
  3. 薬剤料だけ請求可能といっても、わざわざ薬価収載のブドウ糖を納品すると、残ったブドウ糖は大量にデッドストック化してマイナスになる

ので、処方元に疑義照会して、レシピから削除してもらいました。

メーカーさんから無償提供していただいているブドウ糖を医師の指示量お渡しして、ちゃんと服薬指導もする。薬歴にも残す。という対応になりました。

うん、これが一番平和だと思います。

うさぎ太郎

この時、疑義照会がつながらない病院じゃなくて本当に良かった

追記:メーカーから無償でもらえるブドウ糖を使用する場合は保険請求できないのでご注意ください

ちなみに、糖尿病の低血糖用に処方されるブドウ糖は薬価収載されているので前述の通り「薬剤料は保険請求できる」のですが、メーカーから無償でもらえるブドウ糖を使用する場合は薬剤料も算定できません。 

保険請求できるのはあくまで「薬価収載されたブドウ糖」のみです。

もちろん、無料提供してもらったブドウ糖を処方し、監査逃れのために念のため無料じゃないブドウ糖を在庫しておくのも良くないです。。。(そんなことあるのか?)

メーカーさんのためにブドウ糖が「普通の処方薬」になりますように・・・

さて、結局私の薬局では処方元に疑義照会で処方削除して、無償のブドウ糖をお渡ししたわけですが。

なんとかならないんですかね、この「薬剤料しか保険適用できない」ルール!!ていうか糖尿病薬を使っている患者さんにとっては必須アイテムだと思うんですが国としては「飴でもジュースでもいいじゃない^^」ってことなんでしょうか。うがい薬だって、他の薬と一緒になら保険適用認められるのにね??

この件について、患者さんももちろん気の毒ですが、なによりメーカーさんの善意に頼り過ぎだと思うのは私だけでしょうか。。。一生懸命新薬創出している先発メーカーに薬価改定で薬価を引き下げ、その上保険適用も妥当な(と思われる)ブドウ糖も「メーカーが無料であげればいいじゃない^^」という国の態度はいかがなものでしょうか。。。((+_+))


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うさぎ 太郎
調剤事務歴15年(2024年現在)のウサギです。 何年やろうと初めてのことが起こる世界、薬局。 この世界の情報を共有したり、共感したり、時にはグチったりしたい。 そんな想いで「調剤事務のお部屋」を開設しました。 調剤薬局にまつわることなら何でもコメントOK。 「調剤事務のお部屋」だけど薬剤師さんもどうぞ! このサイトが存続する限り、時間の経過した記事にも遠慮なくコメントくださいませ。
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