調剤事務コラム

薬剤師さんのもったいないと思う一言

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こんにちは、調剤事務歴15年のうさぎ太郎です。

今回はちょっといつもと別の角度のお話を書こうかなと思います。

私は受付に立って、少し離れた場所で薬剤師さんが患者さんに話す服薬指導を、毎日聞けることは調剤事務の特権だと感じています。

でも、うさぎ太郎は個人的に服薬指導を聞きながら「あぁぁ…!」って残念な気持ちになることがあります、みなさんどう思われるでしょうか?

うさぎ太郎

調剤時事務って、仕事をしながら、有意義な薬の知識が無料でラジオのように流れてきます。なんという役得でしょう。


薬剤師さんはすごい、なのに・・・

調剤薬局で薬剤師さんの働いている姿を見ていると思いませんか?

うさぎ太郎

薬局で働く前は薬剤師さんって高収入でいいなぁ…としか思っていなかったけど、現場で仕事を見ていると、薬剤師さんて割りに合わんなぁ…と感じることがよくある

と。

膨大な知識量をフル活用して患者さんが持参した処方せんを日々捌いている薬剤師さんたち。

患者さんとのコミュニケーションの中で、処方せんのミスに気付いて医療事故を防いだり(多分世間が思うより、このファインプレーは結構な件数がある)、在宅に伺ったら患者さんが倒れてて助けたり、災害の後いつも薬局に来ている高齢独居患者さんが心配だからと訪問した薬剤師さんも私は見てきました。

ドラマみたいなこと、意外と現場で起こっていますよね。

調剤薬局で働く薬剤師さんって、「介護の現場に出てこい」「患者のアフターフォローもしろ」「医師に進言せよ」「医療費削減に貢献しろ」「患者に営業をかけろ」「24時間対応できる体制を整えろ」、もちろん「知識のアップデートは怠るな」・・・と、調剤報酬改定の度に政治と会社から圧力がかかり、最重要と思われる「正しく投薬と服薬指導をして患者さんの健康を守る」ことを難しくさせるほどのマルチタスクを日々こなしています。

・・・ちょっと悲観しすぎ?でも、このように言っても間違ってはいないと思うんですよね。

そりゃ調剤事務だって調剤報酬改定の度にてんやわんや、専門職色が強い職業なのに給料は最低賃金界隈で辛いこともありますよ。(ん?)

でもやっぱり現場で薬剤師さんの働きを見ていると、「高収入だからって薬剤師になりたいとは気軽に思えない」とヒシヒシと思うのです。

そんな奮闘している薬剤師さんを前に、無情にも服薬指導の際にこう言う患者さんは一定数おられます↓

患者

なんで医者に診てもらったのに、あんたに説明せんといけんのよ。薬だけくれればええんよ。早くして!

この言葉通りの発言をする患者さんは稀ですが、口に出さずともそう思っていることが投薬カウンターから受付に立っている私にまでヒシヒシと伝わってくることは少なからずあります、うん。

う~~~~ん、なんででしょう。

患者に「薬剤師に体調の説明したくない」と思わせる、薬剤師の一言に原因があるのでは?

前述したようなことを口に出してしまう患者さんの性格の問題は置いておいておきましょう。。。問題は

なぜ「医師に説明したことを薬剤師に言う必要はない」と思う患者が一定数存在するのか

ということ。

で、冒頭で「毎日服薬指導がラジオのように聞こえてくるのが調剤事務の特権」と申しましたが、毎日服薬指導を聞いていているからこそ、この問題の原因の一つが薬剤師さんが服薬指導で使う「ある言葉」にあるのではないかと推察するのです。

その言葉が

薬剤師さん

何かあったら医師に相談してくださいね

これです。

ねぇ、調剤事務の皆さん、この言葉、毎日結構な頻度で聞きませんか?

しかし。この言葉、裏を返せば「薬剤師は何かあっても助けませんよ」に聞こえませんか?

この言葉を言われた患者さんの心境(特にちょっと怖い副作用の説明をされた後に)を想像してみてほしいです。

私ならこう思うと思います。

患者うさぎ

何かあった時の相談相手は薬剤師じゃないんだな

この言葉がけが何回も何回も患者さんの意識に蓄積されれば、そりゃ何かあった時に助けてくれない人に極めてプライバシー性の高い情報を話したいとは思えなくなります。

調剤事務としていろんな薬剤師さんと働いて、もちろんこの言葉を言わない薬剤師さんもたくさんいるんです。特に在宅・居宅や、かかりつけ薬剤師をしている薬剤師さんは特に言わないと感じています。

ただ、中には服薬指導の締め言葉として、ほぼ全員に使っている薬剤師さんがいたのも事実です。そしてその薬剤師さんが教育した新人さんもこの言葉を使うようになります。この言葉、会話を締めやすいですもんね。

この言葉を使うことで、短期的な意味では、24時間対応の電話が鳴らなくて良いのかもしれません。でも長期的な意味では、薬剤師さん自身の首を絞めている気がしてなりません。

薬剤師さんと仲良くなるといいこといっぱい

ちょっとひねくれたこと書きましたが、本当に「何かあったら医師に相談してください」はとてももったいない言葉と思って聞いています。

仮にそれが、「24時間対応の携帯電話が鳴らないため」だとしても気持ちは痛いほど分かる。でもせめて

薬剤師さん

何かあったらご相談ください(「薬剤師に」とは言っていない)

これでいいと思うんです。

薬剤師さんと仲良くなるとメリットが沢山あることは、日々一緒に働いている調剤事務として重々承知しております。

だからこそ無意識に患者さんの気持ちを突き放す前述の一言はもったいないと感じてしまいます。

もしも薬剤師さんがこの記事を読まれていたら、気を悪くされるかもしれませんが、心の片隅にこんな意見があることを知っておいてもらえたら嬉しく思います。

調剤事務さんはぜひ服薬指導にはいろんな情報がぎゅうぎゅうに詰め込まれている価値あるものだと認識して、耳を傾けてみてほしいなと思います。

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ABOUT ME
うさぎ 太郎
調剤事務歴15年(2024年現在)のウサギです。 何年やろうと初めてのことが起こる世界、薬局。 この世界の情報を共有したり、共感したり、時にはグチったりしたい。 そんな想いで「調剤事務のお部屋」を開設しました。 調剤薬局にまつわることなら何でもコメントOK。 「調剤事務のお部屋」だけど薬剤師さんもどうぞ! このサイトが存続する限り、時間の経過した記事にも遠慮なくコメントくださいませ。
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